紅茶
・紅茶とは
・日本の紅茶の始まり
・紅茶の生産地
・茶葉の等級による分類
・茶葉の旬による分類
・紅茶の入れ方
・ゴールデンルール

紅茶とは

 そもそも紅茶とは何でしょうか?
 茶樹から摘まれた生葉を発酵させたものです。
 ちなみに発酵させないものが緑茶、半分程度発酵させたものがウーロン茶という分類に
 なります。

日本の紅茶の始まり

 日本で初めて紅茶を輸入されたのは1887年のことです。
 原産地の中国からではなくヨーロッパ文化の移入に伴いイギリスから輸入されました。
 それから1927年に三井紅茶(現在の日東紅茶)が設立されました。
 1971年の紅茶の輸入自由化によりティーバッグや缶入り紅茶などが開発され、それを契機に
 消費量が飛躍的に増加しました。
 近年では、フレーバーティーなど、おしゃれで気持ちをリラックスさせる飲み物としてますます
 飲まれるようになっています。


紅茶の生産地



 このティーベルトと呼ばれる地域には、世界的な銘茶として名高いスリランカの「ウバ」、「ディンブラ」
 インドの「ニルギリ」、「アッサム」などの産地も含まれます。
 ちなみにスリランカの「ウバ」、中国の「祁門(キーマン)」、インドの「ダージリン」の三種類が「世界三大紅茶」
 呼ばれています。 


インド
 アッサム・・・インド北東部にある産地。水色は透明感のある濃い赤褐色で芳醇な香りがあります。
 ダージリン・・・南インドの丘陵地にある産地。水色はオレンジ色でクセのない味は飲みやすいです。
 ニルギリ・・・南インドのなだらかな丘陵地帯にある産地。セイロン茶に近い味わいがあります。
 ドアーズ・・・アッサムの西に位置する産地です。コクのある味わいで、ブレンドして使用されることが多いです。
 シッキム・・・インとの北東部にありダージリンよりも北部にある。渋みが少なくまろやかでこくがあります。

スリランカ
 ウバ・・・スリランカ山岳地帯東部にありスリランカの代表的な産地。メンソール系爽やかな渋みが特徴です。
 キャンディ・・・ウバより西部に位置する産地。すっきりとした味わいで飲みやすいです。
 ディンブラ・・・スリランカ山岳地帯南西部に位置する産地。力強い香味が特徴的な紅茶です。
 ヌワラエリヤ・・・スリランカの中では最も高地に位置する産地。水色は透明感のある淡いオレンジ色です。
 ルフナ・・・山岳地帯の南方にある産地。渋みは少なくコクが強いのが特徴的です。

インドネシア
 スマトラ・・・スマトラ島の高原地帯にある産地。クセが強く中近東等で好んで飲まれています。
 ジャワ・・・ヒマラヤの山岳部のカングラ地区が産地。さっぱりとした味は食後向きです。

中国
 祁門紅茶(キーマン・コウチャ)・・・安徽省の南部に位置する中国で最も有名な産地。華やかな香りが特徴的です。
 正山小種(ラプサン・スーチョン)・・・福建省でヨーロッパ向けに作られた紅茶です。アールグレイティーのもとに
                       なったと言われています。
 雲南(ユンナン)・・・中国西南部の雲南省で作られている紅茶です。水色は鮮やかな紅色でまろやかな風味があります。

日本
 丸子紅茶・・・静岡県
 鳥取紅茶・・・鳥取県
 嬉野紅茶・・・佐賀県
 鹿児島紅茶・・・鹿児島県


茶葉の等級による分類

 茶葉は仕上げの工程でふるいにかけられ、形状・大きさにより分類されます。
 大ざっぱに分けると全葉(フルリーフ)タイプ、葉を破砕(ブロークン)タイプに分けられます。
 
名称 読み方 特徴
フルリーフタイプ:F
S スーチョン 茶樹の下の方の大きな葉
PS ペコ・スーチョン スーチョンより少し上の太く短い葉
P ペコ オレンジ・ペコより短く太めの葉
OP オレンジ・ペコ 長さ7〜11mmの針金状のもの
FOP フラワリー・オレンジ・ペコ 長さ2〜3mmで茶葉の標準
GFOP ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコ ゴールデンティップスを含む
TGFOP ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコ ゴールデンチップスを多く含む
ブロークンタイプ:B(ダストタイプ:D含む)
BPS ブロークン・ペコ・スーチョン 茶樹の下の方の大きな葉
BOP ブロークン・オレンジ・ペコ 長さ2〜3mm
BOPF ブロークン・オレンジ・ペコ・ファニングス 長さ1〜2mm。ティーバッグに使われる。
GBOP ゴールデン・ブロークン・オレンジ・ペコ ゴールデンティップスを含む
TGBOP ティッピー・ゴールデン・ブロークン・オレンジ・ペコ ゴールデンチップスを多く含む
D ダスト ブロークンタイプでもっとも細かい
サイズのもの。
ティップスとは「新芽」を意味します
 ゴールデンティップスは、ティップスの中でも茶樹の一番上に生えている新芽の葉のことです。
 芳醇な香りを持ち、収穫量が少ないため、ゴールデンティップスが多く含まれるほど
 茶葉の価格も高くなります

 新芽のため、リーフに白くて細い産毛がついています。 見かけの色はシルバーです。


茶葉の旬による分類

ダージリン
 ・ファーストフラッシュ
  春摘みといわれる紅茶で新茶のことです。若々しい香りで緑茶のようなうまみは日本人に
  向いている時期かもしれません。

 ・セカンドフラッシュ
  夏摘み、もしくは2番摘みといわれる紅茶です。
  ダージリン地方においては最高級の品質とされ紅茶の「シャンパン」呼ばれることもあります。
  味、香りともにバランスのとれたとても良質な紅茶です。。

 ・オータムナル
  秋摘みという意味の紅茶。茶葉のツヤなども少なく評価は低いですが、味がしっかりとした
  香り豊かな紅茶です。


■スリランカ
 ・ベスト・シーズン
  特に生産量の増える季節のことで、1番おいしい季節という意味ではありません。

 ・クオリティ・シーズン
  特に高品質の茶葉が得られる季節のことです。


紅茶の入れ方

1. ティーポットとカップを準備します。

 ティーポットとカップにお湯を注ぎ、全体を温めます。
 そうすることでお湯を注いだ後も温度が下がりにくく成分がよく抽出されます。

2. 茶葉の量を正確に計量します。

 ティースプーン小盛り1杯でカップ1杯分。
 細かい葉(ブロークンタイプ)のものは少なめにするのがコツです。

3. 沸騰したてのお湯でいれます

 くみたての水を沸騰させたお湯で勢いよく注ぎます。
 葉が上下にジャンピングするのが理想的です。

4. しっかりと蒸らします

 ティーポットののふたをして蒸らし、紅茶の成分が十分に出てくるまで待ちましょう。
 大きい葉(フルリーフ)で3〜4分、細かい葉(ブロークンタイプ)で2〜3分が目安です。
 ティーコジー(ティーポット全体を覆うもの)を使用するとよく蒸らせます。

5.ティーカップに注ぎます。

 茶こしを使用し濃さが均等になるように回し注ぎをします。


ゴールデンルール・・・おいしい紅茶を入れるためのルール

 紅茶の風味や香りを引き出すための約束事を「ゴールデンルール」といいます。
 これを守ることで産地の異なる茶葉でも、タイプの異なる茶葉でも大抵おいしく入れる事が
 できます。

 1.品質の良い茶葉を使用する
 2.茶葉の量を正確に計る
 3.新鮮で良質な水を使用する
 4.お湯は完全に沸騰させる
 5.茶葉はゆっくりと蒸らす
 6.ティーポットとカップは温めてから使用する
 7.カップに回し注ぎをし、濃さを均等にする


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